今月の御法門 

   良き色に染まって 

        住職 小野山  淳堂

御教歌

しらいとのそむればそまる人ごゝろ

   なるゝをえらめ色のよしあし

  

 本年の弘通年度も残り三か月。今月十二日は龍ノ口の法難記念日です。報恩のご法味を捧げると共に、「自分にもお教化が出来ますように」との思いでご祈願を凝らし、残る所あと四個のお教化を成就させて頂きましょう。

 なお、今月廿九日は松寿会です。今年も無事一年の御礼と感謝の思いで参詣し喜びを分かち合いましょう。大正琴の演奏もお願いしています。一緒に楽しい時間を過ごさせて頂きましょう。

 さて、先月、あおり運転で逮捕された男女の姿がテレビで流されました。どちらが主導したのか解りませんが、あんな女性じゃなかったという知人もあれば、もともと眠っていた性格が目覚めさせられたという識者もあり、正確なことは解りませんが、二人の出会いがもとで、あおり運転が常習的に始まったようで、いずれにせよお粗末な話であることに違いはありません。

 

 

 人は環境の動物。環境が人を染めていきます。願わくば美しい色に染め上がり、生きてかいある一生にしたいもの。良き出会いを求め、良き信行の日を重ねていかねばなりません。

 お祖師様の『転重軽受法門』というお手紙に、「周利槃特と申すは兄弟二人なり、一人もありしかば、すりはんどくと申すなり。各々三人は又かくのごとし、一人も来せ給へば三人と存じ候なり」(昭定507)とあります。その意味は、仏さまのお弟子に周利槃特という兄弟のお弟子があったが、二人は共に同じ名前で、一人でも周利槃特、二人でも周利槃特、兄弟二人してよく修行に励んでみ仏の高弟となられたのであるが、それと同じで、太田乗明、曽谷教信、金原法橋の三人は、互いに心を合わせてよくご奉公される方々であって、三人は三人であって一人、一人であって三人、一人を見れば三人を見ている思いがする、と異体同心に心を結び合わせてご奉公される姿をお褒めになられたのであります。このお手紙は、文永八年十月五日、お祖師さまが龍ノ口の御法難を逃れられ、佐渡へ向かわれるまでの間、依知の本間六郎左衛門という役人の屋敷においでの時に書かれたお手紙でありました。九月十二日の龍ノ口の御法難で、鎌倉のお弟子・信者方は、お祖師さまが「千が中、九百九十九人は落ちて候」と仰せのように、その多くが退転する中、この三人はお祖師さまの安否を気遣い、そのお意をお慰めしようと、三人の中のお一人がお祖師さまのもとを尋ねられたのでした。

 

 かつて、川端局長が清雄寺へ行かれた時、朝参詣が済んで、一人のご信者が今日はお教化に行くのと言われると、一人が私も連れて行ってと言われ、一人が私は一緒に行けないから本堂でご祈願するわと言われ、流石、ご講尊のお寺だと思って帰って来ましたと話しておられました。

 白い糸が赤に黄色に青に染まって織りあげられ布となります。お互いも、美しい織物の一生を送りたいものです。

御指南「信者は不信者を友とすることなかれ。信心弱き人にあふ時は信心をすゝめて、懈怠を責むべし。これ異体同心のよしみなり。若し弱信の者に付き合へば倶に堕獄なり」(扇12・311)